●御祭神:仁徳天皇(大鷦鷯尊・おおさざきのみこと)
若宮神社は、治承年間(1177~1180年)、平重盛が丹波の国守をしていた時、山城の国(京都府南部)石清水八幡宮の権殿に祀られている御祭神・仁徳天皇の御分霊を、この地に迎えたものと伝えられています。
寛永10年(1633年)3月、徳川3代将軍家光の時、九鬼藩の初代藩主・九鬼隆季(くきたかすえ)が志摩の国(三重県)鳥羽から綾部に転封された時に、お屋敷内に祀られていた当若宮神社を厚く尊崇し、綾部藩の総氏神と定めました。また、2万石乏しい石高の中から見取田と金穀を献上し、それを祭典や社殿の修繕費にあてました。
以来、第2藩主の九鬼隆常(くきたかつね)を経て、第11代九鬼隆備(くきたかとも)の明治廃藩に至るまで、各代の藩主の家督相続襲封毎に「任先規永代無退転可令執行也」という御朱印書をもって、祭礼料や修復料を献納しました。
もともと、若宮神社は綾部の南北をつなぐ坂口(現在の田町)に祀られていました。
慶安4年(1651年)、初代藩主・九鬼隆季が御屋形を南部高台の上野本宮山西麓に移すことになった時、総氏神である若宮神社を下位の坂口に祀るのは誠におそれ多いことと考え、御屋形の正面である藤山の中腹に奉遷しました。