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6月

6月30日・・・夏越の祓

H250630-04

上半期の最終日にあたる6月30日。
半年間の穢(けが)れを祓うとともに、無事に暑い夏を過ごせるよう祈願するおまつりです。

「茅の輪の神事」
茅の輪とは、茅(ちがや)を束ねて大きな輪にしたもので、罪や穢れ、疫気を祓うための祭具です。
茅の輪を身につければ災い除けのお守りに、また玄関に祀れば家のお守りになります。

 
蘇民将来のお話 「備後国風土記」より

その昔、蘇民将来(そみんしょうらい)と巨旦将来(こたんしょうらい)という2人の兄弟がいました。兄の蘇民将来は大変貧しい暮らしをしており、弟の巨旦将来は大変お金持ちで、お屋敷にはたくさんの倉が建てられていました。

ある夜、ひとりの旅人が一夜の宿を求めて訪ねてきました。名前は「武塔の神(むとうのかみ)」。南の海の神の娘に結婚の申し込みをするため、北の海からやってきたが、日が暮れて前に進めなくなったといいます。弟の巨旦将来は、武塔の神の薄汚い身なりを見て追い返しました。一方、兄の蘇民将来は快く武塔の神を迎え入れ、おいしい栗ご飯を炊いてもてなしました。

それから何年か経ったある日。武塔の神は、お嫁にもらった南の海の神の娘と8人の子どもを連れて再び蘇民将来の家を訪れました。そして、小さな茅の輪を授け、蘇民将来の家族に、そして巨旦将来と結婚した蘇民将来の娘にも、腰につけるよう告げ、北の海に帰っていきました。

その夜、兄弟が住んでいた村に疫病が発生し、たくさんの村人が命を失いましたが、不思議なことに蘇民将来の家族と、巨旦将来と結婚した娘だけが助かりました。すると、再び武塔の神が現れ、将来ふたたび疫病が流行るようなことがあれば「蘇民将来の子孫です」と言えば災難から免れると告げました。それ以降、村人たちは疫病が発生すると腰に茅の輪をつけ「蘇民将来の子孫なり」と口々に唱え、疫病から免れるようになりました。

これが「茅の輪神事」のはじまりです。